富士重工業株式会社 執行役員 スバル海外第一営業本部 早田 文昭氏 【受講者様の声】

JTSを受講いただいた 富士重工業株式会社 執行役員の早田様にざっくばらんに色々なお話をいただきました。

・立場が変わることの意味
・市場開拓の体験談をどう感じたか
・外に出て受ける刺激とは
・セミナー仲間との交流で得たこととは
・若い社員に異業種交流させるべき理由とは
・世界の動向に鈍感な理由とは
・富士重工業のDNAとは
・役員になって意識したことは
・今後受講される方へのメッセージ

インタビュアー:一般社団法人日本能率協会(JMA)

立場が変ることの意味とは?

<JMA>
7月の新任執行役員セミナーを3日間受講して、いかがでしたか?

<早田>
一番インパクトがあったのは、講師陣のみなさんがすごく面白い人たちだったことです。
今までいろいろな研修を受けましたが、それぞれの講師の方がすごくインパクトがありました。

そこがすごく印象に残っていますね。
特に、ほぼ全研修を通じてお世話になったコーディネータ佐藤さんのインパクトが極めて大きかったです。
あと、佐藤さんのバックグラウンドが同業だったことも大きいですね。

<JMA>
現役経営者の講師も偶然同業でしたね。

<早田>
自動車メーカーの人間としては、同じ自動車メーカーの人が悩んでいる話を聞くと、当社も良く似たものだと感じるものです。
あとは異業種の人たちと他流試合する経験は、当社にいるとそれほど機会がありません。

帰ってきてから人事から「どうでしたか」と聞かれたとき、「もっと下の世代からガンガン他流試合をやった方がいい」と話しておきました。

<JMA>
実際、今回参加されるに当たって、会社の方は早田さんにどういうことをご期待されたのでしょうか。
想像でも結構です。

<早田>
執行役員になったところですから、今まで通り部長の仕事も兼務したままですが、「立ち止まって立場が変わることの意味をよく考えなさい」ということだと思いました。
それ以外に、別に役員になったからといって、改めて何か会社からあったわけでもありません。

「役員になったら立場が変わることを勉強して来い」という意味が込められていたのではないでしょうか。

<JMA>
実際に受講されて、そのあと何か早田さんの方で気持ちの中や行動で変わったことはありましたか。

<早田>
180度変わったことは全然ないと思います。
でも、研修を通じて1番感じたのは、今まで以上に人をもっともっと使わなければいけないということでした。

立場が上がればその分、人にやってもらう仕事も多くなりますから、人の使い方を今まで以上によく考えなければいけません。
そのことを強く感じました。

あと面白かったのは、保田講師が人間力で品格とか品性とやたらといっていたことです。
そういうところもちゃんと意識しなければいけないということを痛感しました。
かといって何ができるわけではなく、別に何か変わったかこともなかったと思いますが、そういうことも意識して勉強しなければいけないと感じたことが印象に残っています。

<JMA>
今おっしゃっていた品性や品格といったところは、あまり今まで実業の中では考える機会がなかったのでしょうか。

<早田>
そもそも品格、品性という言葉とあまり馴染みがありません。(笑)
私は今、営業をやっているのですが、それ以前はずっと調達部門に所属していました。
一応会社の看板を背負って外の人たちとやり取りしますから、品格、品性までいかなくても、看板に恥じないようなちゃんとした振る舞いは、若いころから訓練されていました。

しかし、今回の研修で初めて、内面的な品格、品性の大切さを自分なりにもっと考えなければいけないことに気づきました。

市場開拓の体験談をどう感じた?

<JMA>
調達から営業へ変わり、何か仕事のやり方が変わることはありましたか。

<早田>
調達と営業は基本的に裏表のことをやっています。
だから、比較的馴染みやすいとは思います。
これは私が感じたことなのですが、自動車メーカーは小なりとはいえ、サプライチェーンの頂点にいます。

このため、中で仕事をしていると、営業といってもものすごく自己満足的な仕事になってしまいがちなのです。
自分たちの理屈が全てという感じですかね。
営業といってもBtoBではありません。

最終的には車は個人の消費者が買ってくれます。
その販売を担ってくれるのは、特約店の方々です。
それであまり営業をやっていないようにも感じるのです。

逆に調達の仕事はBtoBの営業の人たちを相手にします。
売り買いの立場は違うものの、外との接点はそちらで学ばせてもらいました。
それが当社の営業部門では新鮮だったのかも知れません。

<JMA>
先ほど佐藤さんのことが最も印象に残っているという話が出ましたが、具体的にはどんなところでしょうか。

<早田>
まず、あのパワーです。
あれは本当に恐れ入る感じがしました。
とにかく考える、自分なりに工夫して次の手を打つという体験談を聞かされ、驚きました。

<JMA>
同じ業界なのも関係しましたか。

<早田>
それはあります。
佐藤さんとは時代が違いますが、何もないところから自ら市場を開拓し、販売基盤を作る実体験を聞かせてもらいました。

私は成熟した市場でしか仕事をしていませんから、私自身とは毛色の違った話になってしまいますが、海外の新しい市場を開拓している人たちにとって、これほど貴重な話は滅多に聞けるものではありません。
佐藤さんの話を聞かせてやりたいと思いました。

<JMA>
彼が実際にタイにいたころと時代背景が異なりますが、それでも共感できるところや活用できるところがありましたか。

<早田>
大いにあると思います。
すぐそのまま使えるというわけではないですけどね。
今の車の営業はああいう感じのことを分かっていないと思います。
そこら辺は若い人に伝えたいですね。

<JMA>
今はいろんな意味でもうでき上がっていることが多いですからね。

<早田>
そうなのです、まさに今はそんな感じです。
たまたまのことなのですが、当社は車をいくら作っても足りない状況が続いています。
ずっと車の取り合い状態なので、新規市場の開拓はあまり求められていません。

ただ、いつかは新規開拓しなければならない時期が来るでしょうから、そのときのために知っておきたい大事な話だったと思います。
「何でもいいからとにかく売って来い」という感じは今、ありません。

<JMA>
今は具体的にどんな感じですか。

<早田>
とにかく営業が最低限ほしいという数を集めたら、生産能力を上回ってしまい、車の取り合いをしています。新しいこれからのところは、我慢してもらっているのです。

当社は米国を最重要市場に位置づけています。
それで米国市場での成長が分かるように優先して車を集めていますから、他の市場には我慢してもらうしかありません。
ただ、時代は必ず変わるでしょうから、そのときのために備えておくことが大事でしょう。

<JMA>
急に対応できないでしょうから、今から考えておかないといけませんね。

<早田>
研修のときに話しましたが、今まで以上にもっと人を育てることが求められると思います。
会社に入って営業を5年ほどしかしていない人には、新しいところへ行き、市場を開拓して車を売るなんてことは想像したことがないはずです。

今は決められたことだけで、お腹がいっぱいでしょうからね。
だから、そういうことをみんながもっと考えるような環境にしてあげないといけません。
日々の仕事に追われる以上、そういうことを考える時間はあまりないでしょうが、若い人に考えさせることをやらなければならないと考えています。

外に出て受ける刺激とは?

<JMA>
そういう話は社内でも話題になることがあるでしょうが、それ以外にこうした研修に行き、受ける刺激というのは違ったものがありますか。

<早田>
あると思います。
特に経験が少なく、営業の仕事はこんなものかと感じている若い人が、外でそういう話を聞くと、すごく刺激を受けるのではないでしょうか。

今、当社の海外営業の本部は2つあります。
北米が私のいる第1で、日本と北米以外を担当するのが第2本部です。
現在の第2本部の本部長は他社での経験があります。

やはり全世界のことをよくご存知です。
当社にはいろんなところのことをよく知っている人がいませんから、第2本部長の縁で他社の社内勉強会に参加させてもらったりしています。

<JMA>
柔軟性がありますね。

<早田>
あまり会社を挙げてという形にはなっていませんが、第2本部長は他社での経験がありますからね。
勉強会は若手が対象のものですから、お互い商売敵ではあるものの、ケチなことをいっても仕方がないので、いっしょにやっているところです。

セミナー仲間との交流で得たこととは?

<JMA>
今回のプログラムで他の受講生の方たちも同じ悩みを抱えていると感じましたか。

<早田>
あまり悩みというほどのところまでの話はできなかったように感じています。

<JMA>
懇親会やディスカッションのときはどうでしょう。

<早田>
どちらかというと、面白おかしい話の方が多かったです。
懇親会も立食形式でしたから、話し込むところまでいきませんでしたね。
あのときの横のつながりで「また飲み会をやろう」となったのですが、
声がかかったときに私が行けなくて、そのあとはなかなかチャンスがありません。

<JMA>
みなさんなかなかお忙しいですからね。

<早田>
そうなのです、みなさんとも会社へ戻ると、なかなか時間を作れないのでしょうね。
でも、全然違う業界の人と話をするのは面白いですよ。
建設業なんかになると、自動車業界とは考え方が全く違います。

<JMA>
今回は業種が比較的近いメンバーが多かったですよね。A社さんなど。

<早田>
製造業では車関係も多かったです。

<JMA>
こんなにそろうことは滅多にありません。
今回はたまたまです。

<早田>
A社がこんなにたくさん出してきたということは、毎年執行役員になった方が全員、受講しているのでしょうか。

<JMA>
A社はそうです。
よく派遣していただいています。
他にはB社などリピーターになってくれる企業もたくさんあります。

聞いてみたい業界の話とは?

<JMA>
今回のセミナーは仲間より講師のインパクトの方が強かったという印象を持っているわけですね。

<早田>
そうです。
ゲストの講師もビッグネームの方が来られていました。
距離感も近いですから、大きな会場で聞くのと違い、とても良かったです。

<JMA>
質問もしやすい雰囲気だったでしょうか。

<早田>
そうです。
M社は非常に近い業種で、いろいろと情報は入ってきているのですが、あまりにも世界が近すぎてそれほど話をすることができませんでした。
少し聞くだけでいかに大変かが、身を持って分かりますからね。

<JMA>
今後、聞いてみたい業界の話や人の話はありますか。

<早田>
やはり製造業ですね。
自動車業界は1つの商品に何年も時間をかけています。
そう簡単に変えることができない状態ですから、他の業界とスピード感が全く違うと思います。
だから、すごいスピード感を持って仕事をしている業界の話を聞くのが勉強になるのではないでしょうか。

<JMA>
具体的にはどんなところでしょうか。

<早田>
ものづくりではない世界だとちょっと違う話になるかもしれませんが、世の中の動きにいかに早く対応しようとしているものづくりの話を聞けたらいいと思います。
自動車業界は尻が重いですからね。

当社はBtoCの会社ですが、BtoBの方のお話も聞いてみたいですね。
あとは今回の伊勢丹のように流通でお客様を前面に打ち出している会社の話も聞いてみたいです。
ビジネスモデルで新しいことをしているところの話が新鮮に感じられると思います。

<JMA>
製造業と非製造業では違うところも多いのですが
全く離れすぎることなく、ちょっと接点を持てるところということですね。

若い社員に異業種交流させるべき理由とは?

<JMA>
今後はどういう方をこのセミナーへ派遣しようと考えていますか。

<早田>
当社の人事には話しておいたことなのですが、異業種交流や他業界の話を聞くことは役員になる前にもっと経験しておくべきことだと感じます。
執行役員セミナーを執行役員でない人に勧めるのは、ちょっとおかしいかもしれませんがね。

<JMA>
異業種交流の他流試合をもっと若い人にというわけですか。

<早田>
そんなに若造でなくてもいいと思います。
当社でいくと、部長クラスはみんな経験しておいてもいいような気がします。

<JMA>
それはどういう効果を期待してのことですか。

<早田>
会社にいると中向きの仕事をしがちになってしまいます。
当社の本社でも社内の仕事ばかりです。
だから、意外と外が見えなくなっているのです。

<JMA>
それは意外ですね。

<早田>
車を毎月どれだけ売ろうとか、来年の販売目標を立てるのは、どちらかというと現場を持っている特約店になります。
当社の場合、北米だと米国もカナダも100%出資の子会社が現地の特約店をしています。

車の開発は全部日本でしていますから、こちらは中の調整ばかりを進め、外を見ることをほとんど特約店に任せてしまっているのです。
営業でさえそんな状態ですから、本社の他部署は本当に中向きの仕事ばかりです。

多少部署が変わっても、中が全てみたいな感じになりかねません。
世の中の動きやスピード感に満ちた異業種の仕事ぶりをもっと分からないといけないように思います。

<JMA>
実際のところ、異業種交流に部長や課長クラスはあまり参加していないのですか。

<早田>
会社がそういう場所を設けることは、私が部長をしていた時代にはありませんでした。

<JMA>
人材を育成しようと思ったら、OJT、現場で指導するわけですね。

<早田>
社内にトレーニングプログラムはいろいろとあります。
ただ、外に出て他流試合をするということは、今はどうだか分かりませんが、過去にはなかったですね。

<JMA>
なぜでしょうか。

<早田>
予算をセーブしていたこともきっとあると思いますよ。
「いろいろな会社の人がやっている」と宣伝するプログラムはありますが、「いろいろな会社の人といっしょに」というプログラムは見当たりませんでした。

<JMA>
異業種交流でよくいわれるのは、良い意味での緊張感が出て、会社の代表としての発言になりますから、よく考えて発言するようになるところが評価をいただいています。

<早田>
スピード感は会社によって多少の違いはあるでしょうが、当社のスケジュールでいうと、モデルを決めて設計するのに何カ月かかけます。
次に、図面ができ上がってからそれが世に出るまでに何カ月。

それで全てのスケジュールが動いていくことになります。
このスケジュールを変えようと思ったら、すごい労力が必要です。
多分、世の中のことを知らないから、「そんなことをやっていたらだめです」という人が出てきません。

これまで通りのやり方に凝り固まってしまっているのでしょう。
研修の前に「どんなことに悩んでいますか」と聞かれました。

私が思ったのは今の会社の姿です。
当社は最近、急成長しています。
おかげで規模が以前と変わらないのに、生産台数が急に増えたものですから、開発に大きな負担がかかっています。

工場の生産も大増産状態なのですが、長年同じことをやり続けてきたため、壁にぶつかっている気がします。
何をやるにしても、今まで通りのやり方では越えられないのです。

社長は「1人ひとりが変わらないとだめなのだ」とメッセージを発信していますが、社員はみんな日々の仕事で忙しく、変わりきれていません。
ルール通りに決まった仕事をきちんとやるのは、ものすごくしつけられていますが、何かを変えるとなると苦手なのが当社の特徴です。

私はどちらかというと会社の中で異端の分類に入ります。
あまり会社のルールなど気にしたことがありません。
「役員をやれ」といわれるのも、そういうところを期待されたのではないかと考えています。

自分が経験していない部署の仕事をしているのも、何も染まっていないからでしょう。
そう考えてみると、会社内の常識とは別に世の中のことをもっと若いうちから意識しておくことが大切になってくると思います。

世界の動向に鈍感な理由とは?

<JMA>
今回のプログラムでシグマクシスの倉重さんが2日目の冒頭、少しマクロの目線でいろんな情報をどう見るかについて話していました。
こちらとしてはちょっと新しい視点を注入できているかなと考えているのですが、どうでしょう。

<早田>
「こういう部分をちゃんと見なければいけない」という気づきを教えてくれたのがありがたかったです。
あまり詳しくやってもらわなくても、「こういう視点から始まる」とか「土台となるこういう部分をわすれてはいけない」などと気づかせてくれたのは、すごく良かったと思っています。

それでは、いつもそういうところから自分の仕事を始めているかといえば、そうとはいえません。
大事なところを忘れず、仕事の途中で随時振り返って考える、常にそういうことを気にしておくなどを肝に銘じるように受け止めました。

当社は業界でもメジャーでないですから、グローバルなマクロ感とかあまり気にしていません。
全世界でシェア1~2%の会社です。

世界に動きがあっても「当社に問題がなければいい」というふうな感じになり、大手の自動車会社みたいに「世界がこうなるから、こうしておこう」という発想が社内に生まれにくくなっています。
「世界がどうなろうと、うちは今まで通りのやり方で行こう」と考えてしまう傾向があるのです。

<JMA>
「わが社はこういうふうになりたい」ということが中心になってしまうのですね。

<早田>
そうなのです。
世界の動きに変化があっても、当社にできることはそう多くないので、「生きる道はこっち」と決めてかかっているところが根本にあります。

このため、世界の変化に対する対応は、遅れがちになっています。
基本的に大事なことを忘れてはいけないという思いはあるものの、普通に会社で仕事をしているとそこまで思いが届かず、「今のこの仕事だけをやっていれば良い」という感じになってしまっています。

<JMA>
今の時代はどこから競合が現れるか分からなくなっています。
気がつくと「あれ?」ということにならないよう、ある程度アンテナを張っておいたうえで、決められた方向に向かっているのでしょうか。

<早田>
やはりトヨタなど大手の自動車メーカーになると、世界の需要がしぼめば売り上げが落ちてしまいます。
当社はどんなに世界がしぼんでも、もともと1%しかやっていませんから、「その1%が維持できればいい」と考え、ついつい業界全体を後回しにしてしまいます。

だから、みんなが「いよいよ大変だ」と大騒ぎしてから、「どうなっているの」と慌て始めることになります。
張っているアンテナの高さが、大手と違うわけです。
当社のような小さなメーカーがそこまで手を広げると、いくら人を抱えても足りない状態になります。

手を抜くべきところを抜くのは悪いことと思いませんが、ついつい忘れがちになっているところは否定できません。

富士重工業のDNAとは?

<JMA>
御社の社員の方は結構、プロパーでいかれるのでしょうか。
外から転職してくる人は多いのですか。

<早田>
他の会社と比べてどうなのかは難しいところですが、エンジニアは最近、転職してくる人が多いですね。
本社も海外営業には結構いますよ。
でも、世間一般と比べたら、少ないような気がします。

<JMA>
会社のDNAを脈々と受け継いでいるのですね。

<早田>
DNAは濃いですね。
もともとは飛行機、戦争中に戦闘機を作っていた会社です。
社内研修で「自分たちの会社のDNAは何なのか」という課題がありましたが、当社は誰にも頼らずに独自の技術で全てをやり遂げる時代を経験しています。

要は戦争中のことですから、技術は全て自前、性能は勝敗に関わるので絶対に妥協できないという思想が根底にあります。
もう終戦から70年も経つのに、当社の技術屋はそういうDNAを持っていると思います。

逆に、できたものをいくらで売るかは気にも留めないような気質も否めません。
その結果、販売やマーケティングが極めて苦手な会社になってしまいました。
放っておくと技術屋は勝手に突っ走ってしまう傾向があるのです。

<JMA>
技術屋の誇りで成り立ってきた会社ともいえますね。

<早田>
そうですね。
ここ10年、ようやくバランスの良い舵取りができるようになり、車が売れ始めたと考えています。
昔は売れても全然儲からない車を平気で作っていましたからね。

<JMA>
社長が吉永さんに代わられてからそうなったのでしょうか。

<早田>
吉永さんの前の森さんぐらいからじゃないでしょうか。
森さんの頃から「お客様」という言葉をすごく使うようになりました。
それまでも口にしなかったわけではありませんが、本気ではなく上っ面だったような気がします。

お客様にかこつけて、作りたい車を勝手に作っていたように思います。
しかし、森さん、吉永さんになって「お客様がお金を払っても買いたい」といってくれる車を作ろうとみんなが考えるようになりました。

<JMA>
その辺はうちもよくいわれます。
人材育成は個人商店のようだと悪くいわれるのです。

教える側がやりたいことに賛同するお客様を見つけ、独自に進めていく時代がありましたからね。
社団法人のミッションとして、やはりニーズに合うものを進めていかなければならないということが組織の中で叫ばれるようになってきたところなのです。

<早田>
そんな体質を持つ会社なので、もっと外を知った方が良いと思います。
多分、他の会社より外の動向を気にせず、自分の道を進もうという感じが強いですからね。

<JMA>
受講前からそう考えていましたか。

<早田>
やはりそうですね。
部長クラスのときにある会社の研修で「自分たちの会社は一体何なのか」を随分とやりました。
その結果、まさにその通りだという結論に達したのです。

自分でやってみたて分かった感じですかね。

<JMA>
それはどのくらいの役職のころですか。

<早田>
私が部長になってすぐか、部長になる直前かでした。
グループ研修で自分たちの会社について考えたのです。

役員になって意識したことは?

<JMA>
こういった他流試合のプログラムに来ても、何かを得ようという心構えでいなければ、出てくる話を他人事で聞いてしまい、活用することがなかったという結論になってしまいます。

そういう意味でいくと、すごくプラスに捉えて受講していただいたように感じます。
そこら辺の準備段階はどうだったのでしょうか。

<早田>
参加した方は役員になった人たちです。
「自分の何たるか」、「自分の会社の何たるか」が分かっているかどうかで、受け取り方が変わってくると思っていました。
そうじゃないと、他の人と話しても大事なところが見えてきません。

<JMA>
ご自身も役員として大きな責任を担っていると思います。
それを全うするために、ご自身を研さんしていることや気をつけていることがありましたら、教えてください。
何か情報を見るときに、意識していることでもいいです。

<早田>
あまりいえるようなことはないですね。

<JMA>
今までと大きく変わらず、さらに幅を広げた感じでしょうか。

<早田>
私は営業に移ってそんなに時間が経っていません。
役員になる前に社長と話す機会があったのですが、
「営業の仕事で分からないことがまだあるので、いいたいことをいっていません」と言ったら「思うことをもっといえ」といわれました。

「間違っていてもいいから、もっというべきだ」といわれ、とにかくいいたいことを口にするように心がけています。
役員会議でも数多く発言しているわけではありませんが、今までなら黙っていたことでも言葉に出すようにしています。

<JMA>
直接の担当外のことでも経営という目線から発言しているのでしょうか。

<早田>
全く関係ないところはなかなかいけませんが、何か少しでもかじっているところならできるだけ発言しています。
こういうことは若いころから、その立場に応じていわれることですし、研修でも当然でてきます。

それでも自分が遠慮していわない部分が性格的にあるものですから、それを乗り越えないといけませんよね。
これはずっと意識していることです。

<JMA>
研修の中では思ったことをいえましたか。

<早田>
どうでしょうね。

<JMA>
私の印象では、積極的に発言している、質問しているイメージが残っています。
今の話の部分は実現できているように感じるのですが。

<早田>
社長からちょうどそんなことをいわれたばかりだからではないでしょうか。
別に研修の場で何か失敗しても、自分に跳ね返ってくるものではありません。
せっかくの研修なので、意識して何でもいいから思ったことを発言しようと考えていました。

別に何をいっても責任を取る必要はありませんからね。

<JMA>
それが研修の良いところといえば、そうなりますね。

今後受講する方へのメッセージは?

<JMA>
今回はいくつかのテーマにしぼって3日間のプログラムがありましたが、他のクラスの方や異業種の役員の方と議論したかったことはありましたか。

<早田>
確かにもう少し掘り下げた議論があれば、もっと面白かったかもしれません。
やっている方は「そんなことをやるの?」と驚いたかもしれません。
でも、今振り返ってみるともっとグループで遠慮なく議論できたら良かったと思います。

<JMA>
例えば、どんなテーマなら深く議論できたでしょうか。

<早田>
テーマそのものはどんなものでも良かったと思います。
「もっと時間をかけて掘り下げ、次の日に発表しろ」というものが1つくらいあっても良かったと思いました。
1日だけ夜遅くまで1つのテーマで議論してもいいかもしれませんね。

2晩とも講師の先生と立食し、それで終わってしまいました。
講師の方の話が聞けるのはいいのですが、立食の場だと構えてしまいます。
1日くらい議論が終わったあと、終わったグループから順番にその辺で酒を飲めば、同じ参加者ともっと打ち解けられた気がします。

<JMA>
グループワークをどうするかは、これからの課題ですね。
他にもそういう意見は出ていました。
部長クラスの研修だとそういうやり方もしています。

ただ、役員の方にどこまで負担していただくかというところでは、少しさじ加減が難しくて悩んでいます。

<早田>
「役員になってこんなことをするのか」と思う人もいるでしょうね。

<JMA>
今後受講する方へのメッセージをいただきたいと思います。
エールみたいなもので結構です。

<早田>
さっきちょっと話に出ましたが、せっかく知らない人と会えるので、どんどん思ったことをいい、みんなで議論してほしいと思います。
2、3日という限られた時間ですから、あまりサラっと終わらず、深く議論していただきたいですね。

<JMA>
夜を徹して議論するのもあるかもしれませんね。
参考にさせていただきます。
本日はありがとうございました。

<早田>
どれだけ役に立てたか分かりませんが、こちらこそありがとうございました。

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