《第20回》日揮株式会社 代表取締役社長 川名 浩一 氏

日揮株式会社 代表取締役社長 川名浩一氏に、日本人がグローバルに活躍するためのヒントや新任役員の方々に対する応援メッセージなどお伺いいたしました。

インタビュアー:一般社団法人日本能率協会 久保田

さらに高い目線を手にする方法とは?

<JMA>
本日は約30人を前にお話しいただきましたが、
出席者から何かお感じになりましたでしょうか。

<川名>
みんながまっすぐに前を向き、目が輝いていました。
本当に意欲に燃えているように思いました。
同時にひと言も聞き漏らすまいという意気込みみたいなものも感じました。

<JMA>
彼らは新任執行役員になったばかりのメンバーなのですが、川名社長は2007年に執行役員になられ、そのことが本日の質疑応答の中に含まれていました。

川名社長ご自身が新任の執行役員になったとき、何か意識や行動で変わったことはありましたでしょうか。一般社員から役員へなったときの変化についてお教えください。

<川名>
執行役員になったとき、ちょうど海外から戻ってきたところでした。

役員という立場になったというよりは、会社にとっても自分にとっても新しいことにチャレンジする機会をいただいたと思いました。

毎日がエキサイティングでしたし、悩み続けながらも面白い日々が続きました。

役員になって大きく変わったことは、いろいろな経営問題に関わる会議に出席するようになったことでしょう。

おかげで自分の中で世界が広がり、自分がやってきたこと以外のことや会社全体の経営を一段と高い目線で見えるようになりました。

そこが自分を大きくする良い機会になったと思います。

<JMA>
ただ役員になっただけでなく、部門や仕事にも変化があり、自分がやっている仕事だけではないということですね。

ご講演の中で「ご自身で覚悟ができていますか」という問いかけ、投げかけをいただきました。

本日は、印象に残るメッセージをいくつかいただきました。
「1段高い目線」という言葉もキーワードとして心に響きました。

役員になるときの一段と高い目線から、さらに大きくもう一段と高い目線になるため、何かご自身で普段から努力されていることや、勉強していることはありましたでしょうか。

<川名>
やはり新事業をやることになり、今まで会社が経験していない分野で結果を出さなければならない状況におかれました。

知識を吸収することもさることながら、どうやったら結果を出せるのかについて腐心しました。

高い目線ということでは、自分の業界を超えた広い世界の中で自分たちの強みは何かを分析し、その強みを生かしながら新しいものへの道筋をつけることができたのが挙げられます。

それを経営陣にもしっかりとアピールし、認めてもらうため、ある種の説得力を持つことができたように思います。

「饒舌な侍」という言葉の意味とは?

<JMA>
「エンジニアリングという1つの軸を持って饒舌な侍」という言葉がお話に登場しましたが、そういうメッセージは執行役員になられたときや海外などで仕事をしていたときに考えられたことなのでしょうか。

<川名>
私は海外生活が長かったもので、外から日本を見る癖がついていました。

日本人の弱さや欠点がよく見える視点が備わっていたように思います。

例えば、物事をなかなか決めようとしないことや、本社に対してささいなことでもうかがいを立てるので仕事のスピードが遅いことなどです。

仕事はしっかりとやるけれど、無口ですから、外国人にとっては日本人は何を考えているか分からないとか、気持ち悪いという印象を持つことがあります。

その一方で、海外にいると、日本の良さや日本人の素晴らしさも痛切に感じます。

日本人の良さを世界にアピールし、グローバルスタンダードでありながら、日本ならではの高品質を生かし、ビジネスを伸ばしていかないといけません。

ビジネスの基本はやはり人です。

日揮はエンジニアリング会社で、最大の財産は人なのです。

日本人の価値を海外で発揮して戦うために何が必要かといえば、いかに自分の意思を伝えて相手を説得し、目的を達するかということです。

そのためには熱意と同時に饒舌さも必要になります。

ここでいう饒舌さとは、寡黙な武士のアンチテーゼとして使っています。

寡黙な武士は武士道で支えられたしっかりした背骨、真髄を持っていますが、これを失ってしまったらだめです。

その一方で、ずっと黙っていたのでは相手に何も伝わりません。

自分の意思を伝える伝播力、発信力を持つことで、日本人がグローバルになれると考え、そういう言葉を使いました。

<JMA>
今の私どものお客様の中にも、これからグローバルに活躍を期待されている人がたくさんいらっしゃいます。

そういった方々には今のメッセージが本当に心強く、これからどういったことに心を置いて進んでいけばいいのかという示唆になることと思います。

最後に、新任執行役員の方々に向けて期待やエールということで、メッセージをいただけますでしょうか。

<川名>
やはりこれからの会社を作っていくのは、みなさん1人ひとりです。

新しい世の中を築いていくのも、みなさんの会社です。

だから、より良い社会、環境を作っていくことが、みなさんの課題と言えるでしょう。

その起点となるのは、みなさんの熱い覚悟と突破していく力です。

大いに期待しています。

頑張ってください。

<JMA>
本日は本当にありがとうございました。

※川名氏には「JTS 新任執行役員セミナー」にご登壇いただきました。
http://jma-top.com/jts01/jts_b/